学生時代に阪神淡路大震災があり、その後様々な局面で災害のボランティア活動に関わってきました。学生にも、可能な範囲で、被災地への支援に関わり、その活動を通じてたくさんのことを学んでほしいと思っています。
2023年7月14日からの大雨で、秋田県では秋田市・五城目町などでたくさんの浸水被害がありました。
夏休みの期間を利用し、(一社)日本ソーシャルワーク教育学校連盟、いわて連携復興センター/いわて学生ボランティアネットワーク、立正大学ボランティア活動推進センターと連携・協働しながら、秋田県五城目町を中心として支援活動を行いました。詳しくはこちらへ。
2018年の西日本豪雨災害では、被害が大規模にわたりました。埼玉県立大学の学生13人は、広島県三原市災害ボランティアセンターにて、ボランティアセンターの運営支援活動を行いました。岩手県立大学や長野大学の学生らと共に、8月から10月にかけて、50日間の支援活動を実施。学生はこの経験から多くのことを学びました。報告書及び報告会の様子を公開します。詳しくはこちらへ。
【なぜ学生の災害支援活動をサポートするのか】(2018.9.24)
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1995年1月17日、京都の古いアパートで暮らす学生Aは、大きな揺れを感じ目覚めた。棚の中にあったものがいくつか落ちてきて体にあたったが、深夜にまで及んだ期末試験勉強に疲れており二度寝。いざ試験に向かおうと起床しテレビをつけたところ、阪神高速道路の橋梁が倒れている状況が目に入る。大学に向かうとガラスが複数の建物で割れており、試験中止の張り紙。連絡が取れない神戸在住の友人を案じた。しばらく「何かできることはないか」と考えていたが、数日後、救援物資を京都市内で集めて被災地に輸送する活動がラジオで紹介される。寄付するモノはないが、この体であれば「できることがあるかもしれない」と、収集場所であった平安建都1200年広場に向かい、数日間、寄贈物の受付・仕分け・梱包作業を行った。
残念ながら物資輸送活動のメンバーには入れなかった学生Aは、この目で状況を見たいと考え、不謹慎ながら1月下旬には現地を一人で「見学」した。倒壊したビルや避難者の状況を目の当たりにし、たくさんの被災者と共に、様々な支援者の姿も確認できた。しかしそこに飛び込む勇気は湧き上がらず、「自分には何もできない」という感情が襲う。そして春休みになり、予定していた長期旅行に出かけてしまう。「自分は何もしなかった」という後悔の念が、心の奥底にたまる。
その年の夏、大学の課外プロジェクトに参加し、10数名の学生グループからなる調査団が結成される。震源地であった淡路島の北淡町富島地区やその周辺に建てられた仮設住宅に赴き、住民に対する聞き取り調査が行われた。若い学生に対して、被災者は様々な想いを伝えてくれた。また調査結果を住民自身や行政機関に報告するなどの取組を行い、一定の評価を得た。「学生だからできることもありそうだ」と感じた。
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「何かしたい」という思い、「何もできない」という無力感、「何もしなかった」という後悔、そして「何かできることがありそうだ」という前向きな気持ち。私が学生の災害支援活動をサポートするのは、上記の学生Aのような気持ちを味わったことが大きな要因です。自然災害が多発する中、「何かしたい」という思いを、「何かできそうだ」につなげ、活動の中から学びチカラを蓄えていってほしい。そして自らの地域社会が危機に瀕した際に、少しでもチカラを発揮してもらいたい。 そんな気持ちで、学生支援を行っています。