ゼミナールでは、研究フィールドを設定して、地域の人々や課題と向き合い、聞き取りや資料収集などを行いながら住民と交流することを大事にしたいと思っています。その中で、地域の問題に対する自分なりの研究や実践のアプローチを見つけ、深く問題を掘り下げて考える力を養ってもらいたいと考えています。
現場に出るという点ではソーシャルワークの実習と似ています。しかし「援助者の卵」としての実習だけではなく、社会福祉学を学ぶ学生として、地域の様々な課題に対して、研究的態度をもって肉薄することを、ゼミでは課しています。
調査した結果は、報告書や報告会を通じて、お世話になった地域に還元します。もちろん、新たな事実を明らかにしたり、地域の課題に対する具体的な提案などを行うことは、そうできるものではありません。しかし、学生ならではの、若者ならではの視点は、地域の刺激となることもあるでしょう。
このような「研究的態度」は、社会に対する自分の観点を養うことにもなります。また地域の問題を多方面から考えるために、さまざまな人とかかわり、さまざまな糸口を見つけ出すことを通じて獲得する力は、社会福祉分野に限らず、どんな進路選択をしたとしても、必ず役に立つでしょう。