2019年度埼玉県立大学実習指導者講習会

 2019.7.20に埼玉県立大学実習指導者講習会のスーパービジョン演習を実施しました。講習会に卒業生も多数参加。福祉事務所と児童相談所の方々を担当したので、「そちらに県立大学の卒業生である〇〇さんはいらっしゃいますか?」と問うたところ、多くの職場で「ああ、あの人は卒業生なんですね・・・!?」との反応が。埼玉県内、あるいは千葉東京にも、どこにもSPU卒業生はいますね。

 これからチャンスがあったら指導者になってみようと思い参画していただいた皆様の、ロールプレイの姿や振り返りの記述から、私も多くのことを学びました。

 今後も、後進の指導について、一緒に検討できればと思います。

 皆さんに作業をしていただいたシートについて、写真を共有したいと思います。

実習プログラム策定の課題

  • 実習プログラムを策定する上での課題として、福祉事務所職員の参加者の最大の悩みは、「複数部署がある中で、学生の学習課題に即した一貫性のある実習プログラムが策定できるのか。」というものであったと思われます。そして派生して、部署間での実習プログラムの共有や、見学や講義以外の「体験」ができるプログラム、そしてプログラムについての相談先の確保が課題として参加者からあげられました。
  • 福祉事務所での実習といえば、これまで2-3日で全部署回るスタイルが多かったと思います。今回の参加者の皆さんに私からお願いしたのは、実習指導者の方の所属部署がキーになってもらい、可能な限り当該部署のインテークから支援までの一連の流れを体感できるようなプログラムにしていただきたい、ということでした。参加者の皆さん自身も、2-3日ごとの部署巡回実習では「本質が伝えられない」「何を中心に伝えたらいいのか」と考えていらっしゃった様子です。
  • 実習の依頼を受け付けるセクションがどうしても「福祉総務系」で、おのずと均等に部署を割り振ったプログラムになってしまいがちです。ぜひ福祉事務所の社会福祉士の皆さん、実習指導者の皆さんには、「公的部門のソーシャルワーク」を伝えていただけるような実習にしていただけるよう、課題提起をしていただければと思います。必要に応じて、養成校側から受け入れ窓口担当者に説明に上がりますので、よろしくおねがいいたします。

 

 

実習初期・中期のスーパービジョン

初期・中期のSVのポイントは?

実習後期のスーパービジョン

  • 「スーパービジョンでどのような声掛けをしたらいいのか具体的に知りたい」というニーズが高かったと思いますが、十分具体性のある問いかけ方法をお示しすることはできませんでした。その代わりに、ロールプレイを通じて、参加者同士の声掛けの様子や工夫などから学びを深めてもらえたと思います。
  • ただ、やはりスーパービジョンにおける問いかけはプログラムにも依存するので、実習プログラムとして制度説明が多いないようであれば、おのずと「〇〇についてわかりましたか」という質問が多くなってしまい、「質問攻め」になってしまうことが危惧されます。学生が感じる、小さな、来談者や職員に関する「気づき」を引き出し、それがソーシャルワークという文脈の中でどのように位置づけ、理解すればよいのか。その指針が得られるような時間が求められます。
  • 学生によっては、初期・中期のSVによってさまざまな課題が浮き彫りになることもあります。その状況について、他の養成校側にはもちろんのこと、実習指導者とも共有し、場合によってはプログラムの変更なども視野に検討していただく必要もあります。
  • 最後のSVでは、できるだけ学生が今後の学習目標(単なる知識だけではなく、技術・態度や考え方も含む)が見出せるよう、支援していただくことを期待しています。そして、ソーシャルワーカの先輩としての姿は、学生にとってはとても重要なロールモデルになりうるので、学生生活に対するアドバイスなどをしていただいてもいいかと思いました。

 私も多くのことを学ぶ演習となりました。参加いただいた皆様、ありがとうございました。